自己破産手続き中であっても、任意売却を検討されている方もいるかもしれません、結論からいいますと、そういった対応も可能です。不動産を所有している場合、自己破産を選択すると、その不動産は競売か任意売却のいずれかの方法で処分されることになります。
競売と任意売却の違い
競売は裁判所による強制的な手続きであり、物件が低価格で売却されることが多いです。一方で、任意売却は、ご相談者様の意思に基づいて進められる柔軟な売却方法です。任意売却を利用することで、より良い条件で物件を売却できる可能性があります。
また、任意売却を先に行うことによって、その売却額から引っ越し費用などが支給されるケースも多々ありますので、生活を立て直しやすくなります。
まだ自己破産の申し立てをしていない段階であれば、任意売却を先に行うことは必須といってもよいでしょう。
自己破産と任意売却の並行進行
上記の理由から、自己破産の手続きと並行して、任意売却でご自宅の処分を進めることは理にかなっています。ただし、そのためには弁護士の協力が必要です。
具体的には、弁護士に債権者(銀行など)に連絡の電話をしてもらうことが必要となります。
弁護士による受任通知の重要性
自己破産の手続きが開始されると、弁護士は各債権者に「受任通知」を送付します。この通知には、「○○さんから自己破産の依頼を受けました。今後、借金の対応は弁護士である私に連絡してください」という内容が含まれます。これにより、銀行は弁護士を通じてしか連絡が取れなくなります。そのため、弁護士に「○○さんの自己破産の件で△△不動産に任意売却をお願いしたので、連絡があればよろしくお願いします」と伝えてもらう必要があります。
弁護士の協力と注意点
ただし、弁護士によっては任意売却に消極的な方もいます。なぜなら、任意売却でも競売でも、弁護士の報酬に大きな違いはないためです。そのため、手間のかかる任意売却よりも競売を勧めてくる弁護士もいます。このような場合、弁護士と十分に話し合い、ご本人様からも連絡をお願いすることが重要です。
任意売却のメリット
任意売却の大きなメリットは、引越し代の確保や住み続けるための提案が可能な点です。また、競売よりも高い価格で売却できる可能性が高く、残債を減らすことができます。また上記で解説したように、任意売却を先に行うことで引っ越し費用を確保できることが非常に大きなメリットとなりますので、任意売却を積極的に活用していくことがより良い未来につなぐためにも大切になってくるでしょう。