よくある質問として、他社に任意売却を依頼しているが、相談しても良いのか?というものがあります。この理由としては、専門家に依頼したは良いものの、進捗の報告がなく、不安に思われてのご相談によるものが多くあります。
結論から申し上げますと、他社へ任意売却を依頼している場合でも、相談していただくことは可能です。以下に、その理由とどのように対応できるかを詳しく説明します。
他社へ依頼中でも相談可能な理由
1. 専門知識の活用
任意売却は複雑な手続きが伴います。異なる専門家の意見を聞くことで、より良い解決策が見つかることがあります。任意売却は信頼関係がなければ成立するものではありませんので、どのような専門家と協力して物事を進めていくのかによって結果が大きく異なります。
最適な方法を模索するうえでも、他社と比較検討することも時には必要だといえるでしょう。
2. 複数の視点からのアドバイス
任意売却の専門家ごとに得意分野やアプローチが異なります。複数の専門家から意見を聞くことで、多角的な視点からアドバイスを受けられます。
特にやりとりの際に、適切なコミュニケーションがとれているのかという点は重要なポイントになります。利益至上主義で任意売却を扱っている業者は、ほとんどの場合で対応が杜撰になりがちです。
連絡が遅すぎるなどの理由で不安に思われた場合は、他社にも相談してみることも一つの手段となりうるでしょう。
3. 不動産業者の変更も可能
もし現在の不動産業者の対応に満足していない場合、他の業者に相談し、変更することも検討できます。
よくある質問として、他社と媒介契約を締結したが、そちらにも任せたいというものがあります。この場合も特に問題なく媒介契約の解約は可能となっています。
不動産業者の中には媒介契約を解約されたくないので、「解約できない」「違約金や損害賠償金がいる」などと悪意のあることを言う業者もあるのですが、そういったことを言われた場合でも実際には解約もほとんどのケースで解約は可能ですし、余程のことがない限り、違約金や損害賠償金を支払う必要はありません。
この場合の余程のことというのは、売主の希望で売却に際して高額な広告宣伝費をかけたなどですが、新聞折込み用のチラシを刷ったぐらいでは、違約金などの請求にはあたりませんのでご安心下さい。
相談の進め方
1. 初回相談の予約
まず、他の任意売却取扱い専門家に初回相談を予約しましょう。この際、現在の状況や他社に依頼していることを正直に伝えることが重要です。
2. 現状の確認とヒアリング
新しい任意売却取扱い専門家は、依頼者の経済状況や任意売却の進行状況を詳しくヒアリングします。これにより、最適なアドバイスを提供するための準備をします。
3. 他社との比較
新しい業者の提案内容を、現在依頼している業者の提案と比較しましょう。各業者の手数料、サービス内容、売却スケジュールなどを確認し、どちらが自分にとって有利か判断します。
4. 専門家のアドバイスを参考にする
不動産業者以外にも、弁護士や司法書士などの専門家のアドバイスを参考にすることも有効です。任意売却に関する法的な助言や、債務整理に関する情報を得ることで、より良い決断ができます。
一般的には任意売却を専門とするアドバイザーに相談することが最適な結果につながりやすいと言えるでしょう。そのような専門家は、住宅ローン滞納に強い弁護士や司法書士などとのつながりがあるため、スムーズに話を進めていくことができるためです。
注意点
複数の会社に任意売却の相談をすることはできますが、注意点があります。それは、債権者(銀行や住宅金融支援機構)との交渉が必要になるということです。
債権者側は、複数の会社と任意売却の交渉をすることを嫌います。複数の業者に依頼すると、大抵の場合、債権者から「任意売却の窓口をひとつにして欲しい」と要望されることになるでしょう。
任意売却において債権者との交渉は必要不可欠なものであるため、最終的には1社に絞って依頼をする必要があります。
まとめ
他社に任意売却を依頼している場合でも、他の不動産業者や専門家に相談することは有益です。複数の視点からアドバイスを受けることで、最適な解決策を見つけることができます。現在の業者に不満がある場合や、より良い条件を探したい場合は、ぜひ別の専門家に相談してみてください。