任意売却した後、残った住宅ローンの残債はどうなりますか?

任意売却を行った後、残った住宅ローンの残債務がどうなるかについて、詳しく説明いたします。

任意売却後の残債務

任意売却では、物件を市場で売却して得た金額を住宅ローンの返済に充てますが、売却価格が住宅ローンの残高を下回ることが多いです。この売却価格とローン残高の差額が「残債務」として残ります。

残債務の対応方法

任意売却後に残る住宅ローンの残債務については、以下のような対応方法があります:

1. 債権者との協議

次の2つの中から選択されるケースがほとんどです。

① 毎月、払える範囲内で支払う。10,000円程度をコツコツと返済する。
② 余裕がないので一切、支払いをしない。

おおよその割合として①を選択される方が約20%、②を選択される方が約80%程度となっています。②の選択をされる場合には、後述する自己破産を検討することになります。

2.自己破産の検討

住宅ローン以外にも多額の借金を抱えてしまっている場合には自己破産も検討する必要があります。

具体的には任意売却後の住宅ローンの残債務とその他の借金を全て自己破産の対象債権として申し立ててその借金について免責を得る(借金をチャラにする)という手続きをとることになります。

最終的に自己破産の手続きをとるのであれば、任意売却をする必要はないのではないか?という疑問もわいてくるかもしれませんが、自己破産をする場合には絶対に任意売却を選択した方がメリットが大きいので、自己破産を検討されている方は必ず任意売却の手続きを取るようにしてください。

メリット1.引っ越し費用が確保できる

任意売却を行うと、ほとんどのケースでその売却額から引っ越し費用が支払われます。新生活を送るためにもこの資金は必ず役に立つので、任意売却を行った方が良いといえるでしょう。

メリット2.自己破産のための準備期間を確保できる

住宅ローンを滞納している状態で自己破産をするためには、自分で弁護士を探して弁護士に依頼するための費用を捻出する必要があります。

任意売却を選択すれば、任意売却を扱う専門家から、債務整理に強い弁護士の紹介を受けることができることに加え、任意売却の残債務について銀行と協議した後の手続きとなるため、競売などにより強制的に家を追い出される心配もなく、ゆとりを持った対応が可能になります。

まとめ

任意売却後に残った住宅ローンの残債務は、債権者との協議を通じて返済方法や条件を決定します。月々の返済額については交渉により少額で設定することができるため、経済的な負担を軽減することが可能です。

返済が困難な場合は、自己破産などの法的手続きを検討することもあります。